
前回の記事で、「膿皮症」という細菌性の皮膚病に触れました。この膿皮症という病気、犬ではかなりの「よくある皮膚病」なんですが、きちんと見立てて方針を決め要領よく治療しないと治癒が難しい、再発が多い皮膚病でもあります。

膿皮症の原因となる細菌は基本的に「常在細菌」すなわちもともと皮膚にいる、皮膚に乗っている細菌です。常在菌なので、皮膚に乗っているだけであれば悪さをしない、はずですが・・・
膿皮症は「皮膚感染症」なので、本来皮膚に乗っているだけの細菌が感染を引き起こしてしまうにはいくつかの要因があります。
簡単に言うと「異常に細菌が増えすぎる」「乗っている皮膚が壊れる」「湿気などで湿潤する」「そもそも感染しやすい皮膚になってしまっている」といったことです。
膿皮症の発生は梅雨時から10月くらいまでが多く見られます。湿度の上昇とともに出てくるので、毎年梅雨時から被毛の根元が蒸れて「膿皮症の時期が来たな」と感じます。真冬でも膿皮症を発生する犬はおりますが、そもそも感染しやすい、再発しやすい犬が多いです。
関東で勤務医していたときよりも、高知で開業し仕事し始めて本当に湿度の影響が強いと感じる日々です。また、夏に川で泳いだ後や雨で全身ずぶ濡れになってタオルドライだけ、ということがあった後に数日して全身膿皮症や毛包炎になるワンちゃんも毎年来られます。
私が師事した故 米倉督雄先生は膿皮症の発生要因にシャンプーによる皮膚表面の刺激や、乾かし残しによる被毛の根元と皮膚表面の湿潤などがあると考えていました。私も同じように考えています。
膿皮症は「皮膚感染症」なので、本来皮膚に乗っているだけの細菌が感染を引き起こしてしまうにはいくつかの要因があります。
簡単に言うと「異常に細菌が増えすぎる」「乗っている皮膚が壊れる」「湿気などで湿潤する」「そもそも感染しやすい皮膚になってしまっている」といったことです。
膿皮症の発生は梅雨時から10月くらいまでが多く見られます。湿度の上昇とともに出てくるので、毎年梅雨時から被毛の根元が蒸れて「膿皮症の時期が来たな」と感じます。真冬でも膿皮症を発生する犬はおりますが、そもそも感染しやすい、再発しやすい犬が多いです。
関東で勤務医していたときよりも、高知で開業し仕事し始めて本当に湿度の影響が強いと感じる日々です。また、夏に川で泳いだ後や雨で全身ずぶ濡れになってタオルドライだけ、ということがあった後に数日して全身膿皮症や毛包炎になるワンちゃんも毎年来られます。
私が師事した故 米倉督雄先生は膿皮症の発生要因にシャンプーによる皮膚表面の刺激や、乾かし残しによる被毛の根元と皮膚表面の湿潤などがあると考えていました。私も同じように考えています。
皮膚の表面の「皮脂膜」がベールしているもちもちの皮膚には常在菌が「乗っているだけ」ですが、脆弱だったりふけがおおかったり、いかにも感染しやすそうな皮膚はシャンプーして数日後に悪化する場合があるようです。
もちろん、シャンプーが有効なワンちゃんも多くいると思います。しかし、肌質というのは千差万別です。人間のニキビ治療でも、洗顔したほうがいい場合と、洗顔すると照り返しが強くあまり頻繫に洗顔しないほうがいい場合などあります。
当院に来られる、経過が長い、慢性化した膿皮症のワンちゃんは、たまたまシャンプーという行為が合ってなかっただけだと思うので、シャンプーを否定するわけではなく、そうしないほうがいい肌質ということもある、というだけのことです。
肌質が落ちる要因には、食事などもありますが、当院で頻繁に行う検査として「甲状腺機能検査」があります。教科書的には「中齢から高齢に多い」「コレステロール値が上がる」「かゆみは見られない」とありますが、4歳くらいのワンちゃんでもたまに引っかかりますし、コレステロール値が上がっていたら「あやしい」とは感じますが、上がっていない犬も普通におります。
甲状腺機能低下症だけではかゆみは無いかもしれませんが、そもそも痒くなる皮膚病を発生しやすい重要な要因であり、またもともと痒い皮膚病を持っていたらさらに悪化する要因です。
ですので、当院では再発が多い、治りづらい膿皮症は甲状腺機能検査は積極的に行っています。
治りづらい膿皮症のもう一つの要因に「耐性菌」があります。
当院に来られる治りづらい膿皮症のワンちゃんの多くが、「薬剤耐性菌」いわゆる抗生物質が効きにくくなっている細菌になっています。
この耐性菌問題が最も頭を悩ませます。
皮膚感染症なので、抗生物質や消毒外用などの殺菌治療と、壊れている皮膚を回復させる肌質を改善する治療を並行して行うのですが、耐性菌になっていると最初の「殺菌治療」からまず難航します。
治りづらい膿皮症のもう一つの要因に「耐性菌」があります。
当院に来られる治りづらい膿皮症のワンちゃんの多くが、「薬剤耐性菌」いわゆる抗生物質が効きにくくなっている細菌になっています。
この耐性菌問題が最も頭を悩ませます。
皮膚感染症なので、抗生物質や消毒外用などの殺菌治療と、壊れている皮膚を回復させる肌質を改善する治療を並行して行うのですが、耐性菌になっていると最初の「殺菌治療」からまず難航します。
飲み薬の抗生剤頼みだと行き詰まることが多く、患部局所の治療も合わせながら保湿剤や食事の改善、甲状腺の問題があったらそれも並行し・・・ということが日常的な仕事です。
折角治ってもできるだけ再発が無いようお話しし経過もチェックし・・・といった、「良くなるのは手間暇かかる。悪化は一瞬。」といったことがある皮膚病なので、膿皮症を起こしやすいワンちゃんと飼い主さんは「並走するようなお付き合い」になることが多いです。
当院に子犬のころから来られているようなワンちゃんの膿皮症の場合は、基本原則に忠実な「まず消毒だけで治療してみる」「子犬に使うべき抗生物質から使う」「初発の症状に使うべき抗生物質から使う」といった、できるだけ段階を踏んだ抗生剤の使い方を行うようにしており、
長い目で見て、あまり「効果が高いものじゃないと効かない」という事態をできるだけ引き起こさないように心がけています。
長い目で見て、あまり「効果が高いものじゃないと効かない」という事態をできるだけ引き起こさないように心がけています。
この皮膚病はホントによくある、ありふれているので、できるだけ取りこぼしが無いように治療したいものです。
診療時間変更
犬と猫の一般診療・内科・皮膚科・内分泌・理学療法
休診日 水曜日 日曜日 祝日
受付時間
月・火・木・金・土
9:00-12:00 14:30-17:45